減る公共事業 地元に気配り 10月12日 日本経済新聞

日本経済新聞に「減る公共事業 地元に気配り」という記事が出ていました。非常に興味深い記事であるためご紹介いたします。

以下、引用

 地方自治体が地元業者の受注機会を増やそうと、公共工事の制度を見直す動きが相次いでいる。指名競争入札の拡大や落札が可能な最低価格の引き上げのほか、労働者に一定水準の賃金を保証するユニークな政策も。財政難で工事量が減るなか、お金を着実に地元に落とす狙いがある。ただ過剰な地元優先は競争を阻み、落札額が高止まりするおそれがある。

 新潟県長岡市は2009年4月、指名競争入札の対象を1000万円未満から1500万円未満に広げた。工事予定地に近い建設会社を優先的に選ぶため「結果的に地元業者が落札しやすくなった」(同市)。1000万~1500万円の工事は全体の約1割(08年度実績)を占める。

 長岡市は05年度、周辺市町村と合併し、市域が広がった。07年4月に1000万円以上の工事を一般競争入札の対象としたが、旧長岡市と周辺部の業者間の競争が激化。指名競争入札の対象を広げ、周辺部の業者も受注しやすくなる。

 わずか3ヶ月で入札制度を再変更したのは群馬県太田市。4月に最低価格の事後公表を始めたが、7月から事前公表に戻した。「仕事量が減り、安価でも仕事を取りたい業者が増えた」(同市)ためだ。市内が内々に設定した最低価格を下回って失格となる業者が続出。事前公表に戻し、見積もりのノウハウが乏しい中小企業に配慮した。

 最低価格の引き上げの動きも広がる。北海道は7月から5~7%引き上げた。予定価格3億円の土木工事の場合、85%から90%に上がると試算する。栃木県も6月に最低価格を約5%引き上げ、平均87%とした。

 これらの見直しは地元の経営に配慮したものだが、従業員を直接救済する動きもある。千葉県野田市の「公契約条例」だ。10年度から予定価格1億円以上の工事を落札した業者に、市が規定する最低額以上の賃金を従業員に支払うことを義務付ける。下請けや孫請け業者、派遣労働者も対象で、従わない場合は契約を解除し、業者名を公表する。

 同市は、「低額で落札された場合、人件費にしわ寄せがいくことも多い。あまりに低い賃金ではいずれも建設業に就く人がいなくなってしまう」と説明する。千葉県の最低賃金(時給728円)を上回る時給1000円以上を設定する予定だ。

 こうした自治体の動きの背景に公共工事の長期低迷がある。地方の普通建設事業費は07年度で13兆5千億円と10年前に比べ半減。限られたパイを地元以外の大手も含め奪い合う状態だ。地元業者が競り負け、地域経済が疲弊してきたことを警戒している。

 ただ、入札制度を見直して落札価格が上昇すれば、自治体の財政にも悪影響を与える。新政権は公共事業のあり方を抜本的に見直す姿勢を示している。自治体のこれらの取り組みが思惑通りの効果が上げられるかはまだ不透明だ。

以上、引用終わり。

日経ネットに記事が出ていなかったため、すべて記事を見ながら手入力しました。経済情勢が目まぐるしく変わる昨今、この記事を数年後に読み直したときに、このような自治体の動きが正しかったかどうか判断したいと考えたからです。

9月の一般質問を行い、工事の落札率について問いました。市当局の回答によれば、平成20年度実績市内業者に限って入札できるとした場合の平均落札率が93.4%(件数93件)、県内の業者に限って入札できるとした場合は84.1%(件数13件)となっており、市内業者に限って入札できるとした場合の方が高落札率になっています。

石渡市長は地域活性化や災害時の緊急対応などを理由に現状となっており、今後検討すると答弁されてました。「市内業者に限って入札できる」という市内業者優遇措置を工事全体のうち、どれ位の割合にすればいいのか、試行錯誤をしてみないとわからないのではないではないかと考えます。

しかし、平成20年度の工事費落札価格の合計は35億2426万1583円であり、工事費の1割を削減できれば、約3、5億円です。これだけのお金があれば、待機児童を減らすなど様々な事業ができたはずです。限られた財源の中で「選択と集中」が必要となっている昨今において、市内業者活性化という理由で税金を削減できないのはいかがなものと考えております。

政治とは、所得の再配分という一面があります。限られた財源をどう使うか、適正に税金は使われているのかどうか、今後も考えて参ります。