東京23区 選管委員7割が元議員 天下り?落選議員も複数 東京新聞 9月29日 1面

ちょっと前の記事で恐縮ですが、東京新聞9月29日に「東京23区 選管委員7割が元議員 天下り?落選議員も複数」という記事が出ておりました。地方議会では政党というよりは市長に対し与党か野党かという切り口がよく当てはまります。「先ず隗より始めよ」という故事成語を政治家は常に念頭に置き活動しなくてはならないと思います。

先輩議員に話してみたところ、鎌倉市は議員が選管に天下っているということは聞いたことがないそうです。選管事務局に確認したところ、鎌倉市では選管事務局が各課に適任者を推挙してもらい候補者をリスト化した上で選挙しているため、東京23区のようなケースがないことがわかりました。もっとも神奈川県ではあるようです。

選挙管理委員会は地方自治法で規定されております。

地方自治法 ・第七章 執行機関 ・第三節 委員会及び委員 ・第四款 選挙管理委員会

第181条 普通地方公共団体に選挙管理委員会を置く。
2 選挙管理委員会は、四人の選挙管理委員を以てこれを組織する。

第182条 選挙管理委員は、選挙権を有する者で、人格が高潔で、政治及び選挙に関し公正な識見を有するもののうちから、普通地方公共団体の議会においてこれを選挙する。
2 議会は、前項の規定による選挙を行う場合においては、同時に、同項に規定する者のうちから委員と同数の補充員を選挙しなければならない。補充員がすべてなくなつたときも、また、同様とする。(以下、略)

以上の条文からもわかるように、選挙管理員会は議員が投票することとなります。つまり、その議員が選挙管理委員会に天下りできるかどうかは、現職の議員にかかっています。正に「議員の良識」が問われているのではないでしょうか。

知り合いの23区の議員に聞いたところ、当該議会では自民、公明、民主、共産が4大会派になっているため、選挙管理員会委員の投票の際には、会派の大きい順に決まっていくそうです。投票の際に特に立候補者などがいないため、ある程度会派で話し合って誰に投票するか決めており、結果として選挙に詳しい人ということで区議OBがなるケースが多いようです。

私はこの問題の本質は23区の選挙管理委員会委員長及び委員の報酬が月額でありしかも他市と比べて高い点にあると考えます。仮に日給制になったとしたら、正当な対価として評価できると思います。現在、新宿区が報酬の見直しをしているようですが、統一地方選を前に各候補予定者は行政委員の月額制から日額制へ変更することを公約に入れてくるものと思われます。

ちなみに鎌倉市も月額制であり、選挙管理委員会委員長の支給額が毎月56,100円、委員が毎月45,000円となっております。

参照:鎌倉市非常勤特別職職員の報酬及び費用弁償に関する条例 別表(第3条) http://www1.g-reiki.net/reiki/Li05_Hon_Main_Frame.exe?UTDIR=C:\EFServ2\ss0003E94F\GUEST&TID=1&SYSID=4582

以下、引用開始

東京新聞TOKYO Web  『元議員、都市で高比率 選管「天下り」』 2010年9月30日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010093002000026.html 

 選挙管理委員会への議員OBの天下り問題で、選管委員の報酬額が高い傾向にある都市部ほど、OBの占める割合も高いことが、四十七都道府県と十九の政令指定都市を対象にした本紙の調査で分かった。 

 都内の区と市を対象にした調査でも、報酬の高さと天下りに密接な関係があるとの結果が出ている。委員は議会が選考するが地方分権の流れの中、行政をチェックする議会のあり方が問われそうだ。

 調査の結果、各自治体に非常勤でいる選管委員長と職務代理を含む選管委員四人のうちOBが三人以上を占めていたのは、埼玉、東京、神奈川、滋賀、京都、大阪、兵庫、福岡、長崎の九都府県。

 政令市では、札幌、千葉、横浜、相模原、名古屋、大阪、堺、神戸、福岡の九市だった。

 報酬額との関連でみると、月額で最も高額な約五十三万円(委員長)の東京都は三人、約四十一万円と政令市でトップの大阪市も三人と高い割合。約三十五万円の愛知県は二人。三十万円超の横浜、名古屋、神戸の各市もほとんどがOB。減額期間中でも三十万円近い大阪府や兵庫県では全員がOBだった。

 東北や北陸、中国、四国の各地方では、仙台市(一人)を除いてOBは一人もおらず、報酬額は二十万円以下の自治体が多かった。

 一方、会議は月数回といった仕事の実態を踏まえ、日額制に改めるなど報酬の適正化に動きだしているのも、青森、秋田、静岡、鳥取、愛媛、熊本などOBがゼロの県ばかり。

 神奈川県も日額制に移行したが、四月の改正までは三十六万円とトップクラスの額で、全員がOBだった。

                                                        

東京新聞 9月29日 1面

東京23区 選管委員7割が元議員 天下り?落選議員も複数

首長や国会・地方議員などの公職を選ぶ選挙を管理する自治体の選挙管理委員会について、本紙が東京都内の状況を調べたところ、二十三区では委員の約七割を区議や都議OBが占めていることが二十八日分かった。=関連24面25面

非常勤で仕事量の割に高給を取りすぎているとの指摘が出ている中、選挙で落選した議員も複数おり、議員の天下り機関のような選管のあり方に批判が出そうだ。

本紙は二十三区と多摩地区の二十六市を対象に、各選管に四人いる委員にどういう人が就任しているかや、月額報酬の状況を調査。 その結果、二十三区で議員OBがいなかったのは中央区のみ。一人だけが千代田、台東、江東の3区。残る19区では、複数の議員OBが委員を務めていた。計九十二人のうち、OBは実に68、5%の63人に達していた。落選議員も13人いた。報酬は委員長が約二十八万~約三十一万円、委員は約二十二万~二十八万円。

一方、多摩地区では二十六市のうちOBがいるのは、八王子、三鷹、調布、町田、小金井、小平、西東京の七市と限定的。人数も十三(OB率は12、5%)と、二十三区とは全く異なる状況だ。

月額報酬は委員長が約六万~約九万円、委員が約四万~約八万円と、二十三区の三分の一から五分の一という水準だった。

選管委員の報酬をめぐっては、月に数回しか勤務しない非常勤の行政委員への月額報酬は違法とした昨年一月の大津地裁判決以降、各地で日額制などへの以降が相次いでいる。ただ、都内で具体的な動きを見せているのは新宿区(条例案審議中)にとどまっている。

 

東京新聞 9月29日 24面 

こちら特報部「にっぽん再起動」 23区議OB 選挙委員へ〝天下り″ 引退後の食いぶち?月数回会合で30万円前後

月数回の会合に出るだけで報酬三十万円也。そのポストは大会派の議員たちが話し合って順繰りに就任していく-。都内の区と市を対象にした選挙管理委員会をめぐる本紙の調査で、こんな実態が浮かび上がった。とりわけ二十三区では選管委員の七割までを議員OBが占め、落選した議員がこっそり〝救済″されている例も。いつまでこんな悪弊を続けるのだろうか。(山川剛史、①面参照)

写真(略) 参院選で投票する有権者=7月11日、東京都港区で

 今回の調査は、今年七月の参院選で、選挙区と比例代表と投票用紙を同時に渡し、有権者を混乱させた杉並区選管の問題を契機に実施した。

 大量の無効票を発生させたのに、選管は原因究明もせず、「適正な選挙執行であり、責任を取るつもりはない」とまで開き直った。議会でも一部議員がこの問題を追及しようとしたが、大会派の議員には選管をかばうかのような奇妙な言動が目立つ、いったいどうしてこんなことが起きるのか、その背景を探るのが狙いだ。

 調査は、各自治体に委員の氏名や経歴を取材、過去の選挙データなどと突き合わせた。その結果が左面の表だ。各選管は委員長、職務代理、二人の委員の計四人で構成され、表で印のついた部分が議員OB。無地は区・市職員OBを含む一般人。

 まずは二十三区。九十二ポストのうち、六十三人までが議員OBだ。

 このうち、既に政界を引退してから二回以上の選挙が行われ、公平に選挙を監督できるとみられる委員はわずか十五人。

 驚くのは落選した議員が十三人も委員になっていたこと。〝勝負は時の運″とはいえ、有権者から公職者と認めてもらえなかった人がちゃっかり公職に。港、墨田、北、荒川の四区の委員は、前回二〇〇七年の統一地方選挙で落選したばかり。

 来年四月に、この期の議員が改選を迎えるが、落選した人が当選証書を渡す側に回るという奇妙な現象も起きそうだ。

 残る三十五人は近年まで現職だった議員。現職の区長や議員との縁も深く、公平性が保たれるかどうか疑問が残る。選管には有権者の権利を守る使命があるが、落選者の委員同様、選管委員が引退後の〝食いぶち″と化しているともいえる。

多摩地区は10万円未満

 多摩地区はどうか。表を一見してわかる通り、二十三区に比べて議員OBはぐんと少ない。百四ポストのうち、十三人と一割強まで減る。落選者は八王子の一人、近年まで現職だった委員も六人にとどまる。

 同じ都内なのに、なぜここまで状況が異なるのか?各選管事務局に尋ねても理由は判明しなかったが、はっきりしているのは月額報酬の額が文字通りけた違いの状況にあることだった。

 二十三区では委員長の報酬は三十万前後なのに対し、多摩地区は十万円以上のところは一市もなく、最も高い府中市でも九万四千円で、福生、稲城両市にいたっては五万八千円。各選管は「仕事内容に大きな差はないが、金額の差はずっと前から続いており、理由は分からない」という。

 ただ、「高額報酬=高いOB率」という図式がこれだけはっきりしている以上、利権は議員が離さない、と判断されても仕方がないだろう。

デスクメモ

 福島県矢祭町議の報酬は日額制だ。議員の場合は賛否が分かれてなかなか広がらない。ただ非常勤の行政委員については大賛成。二十三区で、大半の選管会議が月一、二回なら、委員長の日額は三十万~十五万。しかも三十分~一時間が多く、日額ならぬ時給だ。人事、教育、監査も〝仕分け″しよう。(呂)

 

東京新聞 9月29日 25面

こちら特報部「にっぽん再起動」 選考密室 なれ合い 「月額報酬違法」判決 見直し動き新宿だけ

 では、一体どうやって選管委員は決まっているのだろうか。

 この点についても、各選管事務局に聞いてみたが、一様に返ってくる答えは、「事務局は全く経過は分からないし、関与もしていない。議会から『こうなった』と通知をもらうだけ。ブラックボックスです」というものだった。

 選管委員については地方自治法が定めており、一八二条で「選挙権を有するもので、人格が高潔で、政治及び選挙に関し公正な識見を有するもののうちから、議会においてこれを選挙する」と書かれている。

 確かに、法律は議会が委員を決める、とし、現職議員の兼職を禁じているだけだ。だからといって選考過程が不透明でいい、まして落選した人を救済、引退したばかりの人の生活費をあげるために選んでいい、という話にはならない。

 ある選管事務局長は苦々しく語った。

 「都合よく法律が解釈されてしまっている面は少なからずある。委員の任期終了が近づくと、大会派が集まって何やらごそごそ話し合っている状態がいいとも思えない。昨年の大津地裁判決(選管委員などの非常勤の行政委員への月額報酬は違法と判断)以来、各地で報酬見直しの動きが出ていることも承知している。ただ、役人から言い出すこととなると・・・。」

 こうした声はほかの選管でも聞かれた。議員の自浄能力、首長のリーダーシップがある場合はいいが、そうでなければ、住民世論の高まりしか道がないのかもしれない。

 都内では唯一、新宿区で委員報酬の見直しの動きが出ている。そのきっかけをつくったのは、区長会連合会が、町会や自治会へのアンケートを踏まえた陳情だった。

無効票問題 杉並区は・・・

 今回の本紙調査の契機となった杉並区のその後の様子はどうだろう。

 一四日の区議会一般質問では、区選管は「責任なし」の立場を取り、その後選管定例会議でも「質問が出たが、適正に選挙を執行したことへの理解が得られた」と自己評価。

 二十四日の総務財政委員会では、押村貞子選管委員長(区議OB)の出身会派から「選管もいろいろ工夫した。(失敗を)今後の糧としてほしい」と、幕引きへの思惑がにじむ質問が出て、押村委員長も「大変反省している。広い投票所を使うなど工夫したい」と応じた。

 だが、納得しないほかの区議からは▽無効票問題を検証する外部検証機関の設置▽選管委員長の辞任▽区広報での謝罪▽委員報酬の見直し▽委員選出をめぐる議会の馴れ合いの改善-などの意見が相次いだ。

 押村委員長は「ほかの委員と相談したい」と辞任する可能性についても言及したが、ほかの点については議論が深まるまでに至らなかった。ただ、議会内には委員報酬の見直しを議員提案する動きも出ている。

 

議員OBの選挙管理委員会への"天下り″状況 

※報酬は選挙管理委員長。新宿区は日額制への条例案審議中LCC010 以上、引用終わり