9月定例会 決算特別委員会で残した意見について

9月定例会の決算特別委員会で民主党鎌倉市議会議員団が残した意見についてご報告します。

この意見は質疑が行われた後の最終日に各会派から意見を述べることになります。そして、その後協議があり合意が取れたもののみが委員会の意見として残ります。

この意見は岡田かずのり市議と私で作成しました。行革に賭ける思いをご理解いただければ幸甚です。

なお、紹介する意見は意見開陳時に読み上げていますが、原稿を読む過程で多少表現を換えていることもあることを申し添えさせていただきます。

特に「市職員の人件費について」と「財政の見通しと行財政改革について」は是非読んでいただきたいと思います。

 

市職員の人件費について

後期実施計画の財源不足が明らかであることを平成23年度一般会計等予算特別委員会の質疑で確認したが、財源確保のためには市職員の人件費について見直しは必須である。

まず、消防職の人件費ついては、決算審査資料によると課別の時間外手当が鎌倉消防署、大船消防署がトップと二番手になっており、平成20、21、22年いずれもその傾向が続いている。この時間外手当を削減するためには、休日給出勤をスライド制の導入により減らしていくとともに、超過勤務手当については24時間勤務後の消防水利の検査やファイヤーヘルパーを他のものに対応させることによって削減すべきである。さらに広域化ももう一度、検討すべきだ。

一般職については、ラスパイレス指数、住居手当、超過勤務手当の問題がある。ラスパイレス指数は平成22年度は指定都市・中核市を除く全1691の市町村で34位102.1となっており、県下の指定都市・中核市を除く市町村では3位になっている。平成22年度地方公務員給与実態調査によれば、82.4%の団体はラスパイレス指数が100未満になっていることに鑑みれば、鎌倉市も平成18年度に96.4だった水準に戻すべきである。また、全国で2位の住居手当については市外の持ち家の住居手当はカットすべきです。超時間外勤務手当については、一定の取り組みむは評価するものの、市長がマニフェストに掲げた5.5億円に近づけるために超過勤務等命令簿により徹底した管理をした上で管理監督を行い、その結果を人事評価の査定評価にするなどの取組を実施すべきである。

教育公務員については、総務省ホームページで確認したところ、平成18年度から平成22年度までの5年間、全教育公務員の平均給与月額が指定都市・中核市を除く全1691の市町村で全国一位であることが判明した。その原因は諸手当月額のうち超過勤務手当の多さである。この超過勤務手当も一般職と同様の対応をすべきである。

 

財政の見通しと行財政改革について

 長引く景気低迷に加え東日本大震災が起きたこともあり、平成22年度の市税収入は約10億円落ち込んだ。また、財政力指数も単年度では、平成21年度が1.215、平成22年度は1.074、平成23年度は1.046と年々悪化している傾向にあることをこの特別委員会で確認した。

 また、財政力指数が1を越えているからといって基準財政需要額に反映されないような市独自の事業もあるため、必ずしも財政に余裕があるとも言えないということもこの特別委員会で確認した。そして、平成23年度一般会計等予算委員会で確認したように不交付団体については平成25年度から今まで10~20億円発行していた臨時財政対策債が発行できなくなることを考えると、鎌倉市の財政は非常に厳しいということを認識する必要がある。

また、この特別委員会の質疑において、後期実施計画の各課からの要望は約700億円あり、財政課の推計では24年から27.年の4年間で3040億円確保できる見込みであるが、経営企画部の試算では、現在、実施計画上継続している事業が4年間で8090億円必要であるが財政課の説明で確認した

 財政課の確保できる見込の財源ですら、現在、実施計画上継続している事業をまかないきれない状況で、本当に厳しい財政状況と改めて言わざるを得ない。このような中で、後期実施計画をどのようにすべきかということを考えると、市職員の人件費の削減に加え、補助金のゼロベースの見直しなど、聖域なき行財政改革に取り組むとともに、未利用地の売却、ネーミングライツを使った収入確保なども併せて取り組むべきである。また、後期実施計画についても従来の規模よりも縮小を視野に入れて当該計画を策定すべきである。

 

土地開発公社について

 デフレ下の日本経済において、公共用地取得の困難性が高度成長期の時と比較し土地開発公社の存在意義がなくなっている。鎌倉市は身近なミドリを買い取るために土地開発公社は有用との認識が一部あるかもしれないが、財政状況が厳しい中、このようなミドリを税金で買い取ることに限界が近いと考える。

平成22年度、鈴木邸、今井邸を市が買い戻した点は評価するが、大船の再開発代替用地や二階堂の農地などの長期保有土地が残っており他の土地を土地開発公社で買うよりも、まずは不適切な状態である大船の再開発代替用地を買い戻すべきである。平成25年度まで利用可能な第三セクター等改革促進債を利用し全ての土地を買い戻した上で、10年償還と言う厳しい状況が続くが、次世代にツケを残さないためにも改革を断行すべきである。

 

職員用被服費について

 現在、正規職員に貸与されている制服は、かつてはブレザーであり、現在は作業服のようなものになっている。導入されている趣旨は一目で職員とわかるようにするということが主なものだと考える。

警察官や消防士のように現場に行き身分を証明する必要がある職員、また作業をするため服が汚れることが多い職員の場合には必要性は感じられるが、そのようなことが少ない事務系職員については制服の必要性がないのではないかと考える。    

一目で職員とわかるようにするためには名札などで十分可能であり、財政状況が厳しい折、経費削減のためにも事務系職員については制服を廃止すべきである。 

 

未利用地の売却について

 平成23年3月に発表された新鎌倉行政経営戦略プランによれば、旧市営西泉水住宅用地は平成25年度売却、旧市営弁ケ谷(べにがやつ)住宅用地は平成23年、平成24年売却を実施することになっている。しかしながら、平成20・21・22年度決算において領地の測量業務委託料、道路整備工事請負費、地下埋設物移設等補償費はいずれも執行されず「0」となっており、平成23年度予算は、旧市営弁ケ谷(べにがやつ)住宅用地のC用地のみを先行させるものとなっている。

 しかし、旧市営西泉水住宅用地については境界の問題などがありほとんど話が前進していないという説明があり、このままでいくと平成25年売却は難しいと思われる。境界の問題などについては協議が整わないのであれば境界画定訴訟を行い、いたずらに時間を浪費することなくスピード感を以って対応し、速やかに売却益を確保し厳しい財政状況の一助とすべきである。

 

事業仕分けについて

平成23年度の事業仕分けは平成22年度ものに比べ、物足りないと感じている。その一番の理由としては構想日本のような事業仕分けのプロが不在であったため、事業に対する深い議論が難しかったのではないかと推察している。確かに構想日本には議論を深めることができることやしがらみがないという点ではメリットであるが、一方で鎌倉市民でないこともあり市特有の問題については理解できていないことはデメリットである。そして市民は市特有の問題については納税者としての肌感覚で理解はあるものの、行政の専門家でないため深い議論は難しい。

構想日本などの他の自治体経験者らが深い議論を行い、市民が納税者としての感覚で判断していく、このように両者をベストミックスさせ最大限の効果を上げるためにどうすべきか、それが今の鎌倉市の事業仕分けに際して行うべきである。

 

補助金のあり方について

 社会福祉協議会、シルバー人材センターに対する補助金は財政基盤を安定化させるという趣旨で人件費に対して行われている。平成23年度事業仕分けで社会福祉協議会に対する補助金について、市民の方から人に対する補助ではなく、事業に対して補助すべきであると指摘がなされていたが、全くその通りであると考える。他市の事例もあるので、調査すべきである。特に人件費については市に準じたものとなっている点も昨今の経済情勢を考えると見直すよう市から促すべきである。

 我孫子市では補助金を3年ごとにゼロベースで見直し市民を入れて協議している。このような取り組みをすべきであるが、新鎌倉行政経営戦略プランでは「全庁的な補助金の見直し」「ゼロベースでの見直し」「補助金見直し基準(ガイドライン)を作成し、それに基づき補助金の見直しを行う。また外部評価の導入について検討を行う」としているが、早急に外部評価を入れゼロベースでの見直しを前倒しで実行すべきである。

 

ティアラ鎌倉について

 ティアラ鎌倉の事業の意義については理解するが、当会派では事業実施に当たっては黒字化を実現すると説明を受けているので黒字化を実現すべきである。

 対策として、ハード面とソフト面に分けて考えると、ハード面としては、ベット数を8床から10床に増やすべきである。元々の計画は10床であり医師会との協議で8床になり、そのことが分娩数360に届かない理由だ考えていると答弁を聞いたが、間取りの工夫などを行うことにより何とかベット数を増やす必要がある。

 ソフト面としては、入院日数や職員の体制などの問題があると考えている。入院日数についてはこの特別委員会でティアラ鎌倉が平均5泊6日、湘南鎌倉総合病院が4泊5日と答弁していた。他市の産科診療所について調べたところ、入院日数については改善を要すると考えている。職員の体制についても他市の事例を比較し手厚いということを聞いているので工夫の余地はあると考える。まずは他市の事例を調査研究した上で最適解を見つけ医師会と協議し黒字化に向けた体制を作っていくべきである。 

 

レイウェル鎌倉について

 レイウェル鎌倉の補助金も主に人件費に対するものになっている。この点は、社会福祉協議会やシルバー人材センターに対する補助金と同様であり事業に対する補助をメインとすべきである。また、全庁的なゼロベースでの見直しの中で精査すべきである。

レイウェル鎌倉で行われている勤労者福祉事業については、広域的事業展開で採算性をあげるべき時期に来ていると考える。

また、レイウェル鎌倉の利用状況を見ると相変わらず40%台と言う稼働率の低さが問題である。公共施設の再配置計画の中で検討すべき事項ではあるが、平成21年度鎌倉行政経営戦略プラン、鎌倉行革市民会議委員評価結果報告書でも指摘されていたが、「他施設を流用することで本施設は売却すべき」である。

参考:平成22年度一般会計決算等に対する意見一覧

110926決算意見一覧001 
110926決算意見一覧002