12月20日に本会議が終了しました。議会中はHPを更新できる時間がなく申し訳なく思っております。
今回、観光厚生常任委員会に付託された「陳情第26号 安全・安心の医療・介護実現のための夜勤改善・医師・看護師等の大幅増員の意見書提出を求める陳情」は常任委員会では、二人の委員が退席し全会一致で採択となり委員会として意見書を提出しました。私は委員長であり、いわば行司役であるため意見を表明することができませんでしたが、当該陳情については採択すべきでないと考えていました。
そのため、最終日の本会議において、鎌政会の岡田和則市議に反対討論をやってもらいました。その際の修正前の原稿をアップしたいと思います。当日の原稿より詳しく書いてあるのでご覧いただければと存じます。
あまり知られていないことですが、北欧などの医療制度はホームドクター制度が採られており、ホームドクターの紹介がないと専門医の診療を受けることができない制度となっているそうです。そのことについても言及してあります。
『ただいま、議案した「陳情第26号 安全・安心の医療・介護実現のための夜勤の改善・医師・看護師等の大幅増員の意見書提出を求める陳情について」反対の立場で討論に参加致します。
私どもの会派は医療職の待遇をよくすることの必要性については認識しております。
医療職の方々の待遇を良くするには、賃金をアップさせ、医療職を希望とする若者を増やすことが必要になります。医療職の方々が増えることで、医療職の方々のオーバーワークが減って医療事故が減ることは陳情の要旨で述べられている通りであると考えます。
一方で、医療職の賃金を上げる方策について考えると、医療の財源は、我が国の保険制度で、大枠が決まっているため、保険点数を上げることで、給料を払っている医療機関の収入を上げさせるか、医療機関に地方自治体もしくは国から直接補助金を出すしかありません。そして、それらの財源は、税金のアップか、健康保険料、介護保険料の値上げをする必要があります。
または、アメリカのように混合診療を解禁して、自由診療と保険診療の併用を認めて、医療機関側が自由に値段設定可能にさせる、実際には、自由診療分をカバーする保険会社と医療機関が契約の上で料金を決めることになります。とすれば、外資の保険会社(例えば、アメリカンファミリーなど)の参入を許可して外国資本を導入していく、これはTPPを推進していく必要があると考えます。
全国の医療機関で、委員会審議の中で配布された資料のように、医療従事者の方の待遇をアップ、増員させるには、いくら財源が必要なのか、計算して、財源をどこに求めるのかが政治の役割と考えます。そして、それを国民が容認して、
①北欧型の高福祉、高税金の社会とするのか(ホームドクター制で、実は自由に医療機関を受診できないということは意外と知られていないことではありますが)、
②アメリカ型の、すべて自由式、(もちろん保険もあって保険のカバーする割合、範囲は保険料によって決まる、良い保険に入ればフリーアクセス、自己負担も少ないが、保険料高額、一方で安い保険に入れば、受診のできる医療機関は、限定され、保険のカバーの範囲も少ない)というものにするのか
③日本型の国民皆保険(保険に関してはみんな平等、均一。医療機関はフリーアクセス。医療従事者にしわ寄せがきていて破綻しかかっている)、
これらのどれを選択するかということの議論なしに結論を出すことは非常に難しい問題であります。
また、今回の陳情に関し鎌倉市内の一般病院の事務長をされている方にお話しをしたところ、『仮に週32時間の勤務になるとすると看護師を2~3割の人員を増やす必要があり、現在でも看護師の採用が難しい中で看護師の採用が更に困難になる。
給料が同じで32時間勤務とすると医療機関の経営そのものが成り立たず、逆に労働時間が32時間で給料を下げると退職者が続出する恐れもある。
先に看護師の増員があって環境をよくすれば、32時間勤務は可能かもしれないが、診療点数が上がらない限り医療機関は成り立たない。』ということをお聞きしました。
よって、現時点で結論を出すということは非常に拙速であると考えますので陳情26号には反対の立場といたします。
以上で、反対討論を終わります。
参考:
〇北欧諸国=ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、アイスランド
http://stworld.jp/feature/northerneurope/ STワールド(旅行会社)地図参照
〇さまよえる医師のひとりごと から引用
http://asking.blog.so-net.ne.jp/2010-05-31-1
MRICというところから配信されてきました、
デンマークの医療現状です。
基本的には無料かつホームドクター制なのですが・・・・・
すごく長いのですが、記事を転載します。
月曜日の朝から、息子の腹痛は始まったのですが、最近ようやく朝8時から9時までの間のみ、子どもであれば予約無しでホームドクターに診てもらえるようになったので、電話予約を入れずに直接ホームドクターセンターに行きました。息子の年齢は12歳。15歳までが子どもの範囲になります。
ホームドクター(かかりつけ医)とはいうものの、私の暮らしている町にはホームドクターの資格を持つ医師が数名登録しているホームドクターセンターが数カ所あり、個人で開業しているホームドクターもありますが、町の中心にはなく、子どもを持つ多くの家庭では、こうしたホームドクターセンターをかかりつけ医として指定しています。この日の朝の診察は50代の男性医師。触診と問診、尿検査をして特に問題は無い、ということで、痛みが続くようであればまた来なさい、と言われて帰宅。薬の処方もなく、特に何かを注意される訳でもなく、2~3日休みなさい、というだけでした。
火曜日の朝になっても、いっこうに痛みは治まらず、それどころかひどくなって来ている、と言うので、再度ホームドクターセンターに行くのですが、この日の担当の40代の女性医師は、今度は指先に針で穴をあけて採血する血液検査をしてくれましたが、これも異常なし。どう言うことが考えられるか、医師にも聞きましたが、「血液検査の結果は問題ないのでわからない」というだけで、「様子を見ましょう。痛くなったらまた来なさい」と言われてまたそのまま、帰されてしまいます。
「病院には送ってくれないの?」と聞いても、「尿検査でも血液検査でも異常がないので、送ることはできない」と言われておしまいです。どんなに息子が痛がっていても、親が訴えても無駄なことでした。
そして水曜日、3度目の正直で、またまた朝の診察時間に押し掛け、毎日来ていることもコンピュータを見れば分かるので、その日の医師(別の50代の男性医師)は、病院の救急窓口へ行くように指示をくれ、病院にも連絡を入れてくれてました。3日間毎日通ってやっとのことでした。
救急の窓口に着いて、最初は救急の医師2名が交代で来て、盲腸の可能性がないか、触診と問診でチェックをし、その後、息子は12歳5ヶ月にして、初めて小児科病棟へ足を踏み入れました。小児科の医師に診てもらうのも、生まれて初めての経験です。
(中略)
移動してから2時間後、ようやく小児科医の最初の診察が始まり、このまましばらく様子を見て、それで入院するか、帰宅するか考えましょう、ということになりました。診察前に尿検査と検温はしていますが、特にホームドクターがしてくれていたことと変わりなく、触診の結果、とりあえず盲腸ではないと判断されました。「じゃあ、他にどう言う可能性があるのか?」と聞くと、「可能性は100以上あるし、子どもの腹痛の内50%以上が原因がわからない」と言われ、さらに「原因がわからないので、薬も処方できない」とも言われました。
この時点で、緊急性はないと、この医師が判断していることもわかったのですが、原因がわからない、というのは親にとっては痛みが治まった訳ではないので、まだ心配は残っていますし、他に何か検査などの必要はないのか、原因を調べないのだろうか?という疑問はあったのですが、緊急性がない限り、不必要な検査は極力しないのだな、ということを感じました。安心するための検査は基本的にしない。限りなく疑わしいと判断されない限り、公立の病院では検査も投薬もしないことがよくわかりました。
(中略)
結局、息子は、1回目の診察から4時間後にもう一度診察を受け、痛みが増長していないことから、自宅に帰るように言われ、24時間以内に痛みが増長した場合のみ、この小児病棟へもう一度来てもいい、ということで、自宅に戻りました。2度目の診察が終わったのが、夕方4時半を過ぎており、朝から何も食べていなかった息子は、お腹が空いてたまらなかったようですが、食後に腹痛がひどくなることもあったので、その日は流動食ですませ、様子をみる形になりました。
そして24時間、痛みが増長することなく、でも減少することもなかったのですが、増長しなかったので、お約束どおり小児病棟へ戻ることなく、初めての小児科体験を終わりました。ところが、その後、金曜日になって、またしても痛みが増長し、一応小児病棟へ電話は入れてみたのですが、24時間以上経過したので、自分のホームドクターに行きなさい、と言われてしまいました。
双六で言えば、振り出しに戻る、という感じです。
なんとも、融通が利かないのですが、とにかく、まずはホームドクター。これがこの国の医療の原則です。結果として、経費の節減になっている部分も多くはあるのでしょうが、最初に3日間通っただけでも、その経費は国としてはかかっているので、最初から病院に送ってくれる方がいいのでは、と思うこともありますし、息子のケースは大事には至らなかったので結果オーライなのですが、あまりにも様子を見過ぎではないか、と思う節もありました。安心するための検査はしない、ということもよくわかりましたが、いろいろなケースを想定する、という治療体制は取っていない、ということもよくわかりました。
骨折のときもそうでしたが、必要に応じて、私立の病院を利用するしか、安心することはできない、というのが現実でもあると思いました。今までの経験からもホームドクターに行ったところで、特に何かをしてくれる訳でもないことがほとんどで、カウンセリングに近いものがあると思っているので、たいした病気ではなくても無料だから利用しよう、などと言う気はさらさらなく、むしろ、ほんとうに痛がっている時しかホームドクターにも連れて行かないのですが、それでも何日も通わないことには、病院に送ってもらうこともできない、というのは、かなり疲れるものがありました。もちろん尿検査などで異常があれば、話は別だったのでしょうが。
結局、金曜日は、病院の小児科病棟にはいけないので、仕方なくホームドクターセンターの朝の診察時間にもう一度受診し、ようやく私が唯一信頼している50代の女性医師にうまくあたり(この女性医師の予約を取ろうと思うと、2ヶ月先までとれません)、もう一度簡易血液検査をして、結果は異常なしですが、触診と問診の結果、胃酸過多の可能性が高い、ということで、5日目にして初めてまともな見解を聞け、薬も処方してもらって、週末には回復に向かい、一件落着しました。
最初からこの女性医師に診てもらいたい、という気持ちがいつもありますが、予約は取れないし、子どもの病気は待ってくれないので、センターの他の医師に診てもらうことがほとんどです。発病から5日目にしてたまたま朝の当番だった彼女にあたって、助かりましたが、私たちが費やした時間も他のドクターにかかった経費も結局全て無駄に終わった訳で、振り分けるホームドクターの力量次第で、患者側にとっても国の医療体勢としても、無駄が多く発生する見本になってしまいました。
無料であることはほんとうにありがたいことですが、電話での対応とホームドクターによる振るい分けで省いている無駄もあるかもしれませんが、最初の判断いかんで、逆に多くの無駄も発生するということです。骨折の場合もそうですが、病院の救急窓口に電話をしても、電話を受けた人がホームドクターでまずは診てもらえ、と言えば、X線の設備のないホームドクターであっても、行かなくては話が進みません。せめて町に1カ所でもいいし、ホームドクターセンターには、X線が撮れる設備と技師の確保をして欲しいと思っていますが、それも無理なようです。
公立の病院の救急に、骨折の患者が何人も待っているのもおかしな光景です。指の骨折でも大きな病院の救急でしかX線は撮れないし、対応もしてくれません。その同じ窓口に、大けがをした人や、心臓マヒで運ばれて来る命に関わる人たちもいるのです。
病院の救急の窓口に行っても、命に関わることではないと、まず聞かれるのは「ホームドクターには行ったのか?」という質問です。行っていなくて、直接電話だけして来た場合には、「なぜ直接来た?」と必ず言われます。「電話して、来ていいと言われたから来た」と言えばそれで収まりますが、毎回この問答には疲れます。
雪融けの頃、森でチェーンソー使って作業していた夫の継父が、指を切ってしまい、私が車で病院の救急窓口に運びましたが、継父は「こんな大けがをしても費用は一切かからないんだからありがたいよな」と言っていました。確かにその通りです。大けがをして何針も縫ってもらっても、費用は一切かからないし、お金の心配をしなくてもいい。あとのリハビリまで面倒を見てくれます。
ありがたいことと歯がゆい思いが同居する医療システム。利用する側がその利点と欠点を理解して、ケースバイケースで判断ができる知識や蓄えも、多少は必要だと感じるこの頃です。
長文お疲れ様でした。
読むことを諦めた方のために要約すると、
デンマークは
公立病院医療費無料
ホームドクター(家庭医)制
であります。
無料なのはいいのですが、厳しいアクセス制限で、
かかりつけ医の診察なしでは専門医のいる病院にかかれないようです。
また公立病院は基本的に無料ですが、
受診までの時間もかかるし、経過観察だけのことも多く、
なんだか日本の公務員的な感じです。
もしかしたら医療費抑制のために、
すぐに検査することが認められていないのかもしれません。
ですので、手早く専門医にかかりたいときには、
お金を払って私立病院に行く必要があるみたいですね。
こちらは給料も歩合制でしょうから、
医師の対応や感じもいいわけです・・・・・。
こういう現地の人の体験を読むと、
日本の医療がいかに恵まれているか分かります。
おそらく家庭医制が日本で導入されても、
かかりつけ医以外のアクセス制限がなければ、
検査しないと分からないものはすぐに病院紹介となり、
勤務医や救急医療が余計忙しくなる気もします。
もし直接病院にかかることが制限されると、
「紹介は1週間後になります、
お金払えば明日でも予約が取れますが・・・」
なんて話になりそうですが、
気が短い日本人では許容されない気がします。
日本の医療は
いつでも行きたい病院にかかれる
コストも比較的安い方(しかも国民皆保険)
という感じですが、これと医療の質を維持するには
とてつもないお金が必要なになってきます。
国民がこの問題を考える日も
そう遠くはないとは感じています・・・・・。
おそらく今後、家庭医が導入されれば、
アクセス制限もそのうち始まると思います。
安くても時間がかかるほうがいいのか?
それとも
高くてもすぐかかれる方がいいのか?
という議論にもなりそうです。
もちろん安くて早い
吉野家みたいな今の医療制度がいいのでしょうが、
現場の限界も見えてきていると思います・・・

