11月15日(火)から11月16日(水)にかけて、議会運営委員会の視察で四日市市議会と京丹後市に伺いました。今回の視察の主な目的は議会改革であり、具体的には「議会基本条例」や「地方自治法第96条第2項」の「議会議決事件」について学ぶためでした。
両市とも議会基本条例を規定しており大いに参考になりました。
私個人と指定は地方自治法第96条第2項の議決事件について興味がありました。
そもそも地方自治法第96条第1項では次のように規定されています。
第96条 第1項普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
一 条例を設け又は改廃すること。
二 予算を定めること。
三 決算を認定すること。
四 法律又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。
五 その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
六 条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
七 不動産を信託すること。
八 前二号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること。
九 負担付きの寄附又は贈与を受けること。
十 法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。
十一 条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。
十二 普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項 に規定する処分又は同条第三項 に規定する裁決をいう。以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項 (同法第三十八条第一項 (同法第四十三条第二項 において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項 において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停及び仲裁に関すること。
十三 法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
十四 普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。
十五 その他法律又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項
これらの15項目は鎌倉市即ち行政に対し、議会の議決すべき事件が列挙されており、もって行政を市民の代表が監視することが規定されています。
それに加え、地方自治法第96条第2項では、次のように規定されています。
第96条 第2項 前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。
つまり、地方自治法第96条第1項の他に条例により議会の議決事件を追加することができるという規定です。
では、鎌倉市の現状はどうでしょうか。「鎌倉市議会の議決すべき事件に関する条例」により下記の内容が議決事件となっています。
(1) 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第42条第1項に規定する地域防災計画の策定及び変更に関すること。
(2) 水防法(昭和24年法律第193号)第32条に規定する水防計画の策定及び変更に関すること。
(3) 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の8第1項に規定する老人福祉計画の策定及び変更に関すること。
(4) 介護保険法(平成9年法律第123号)第117条第1項に規定する介護保険事業計画の策定及び変更に関すること。
(5) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2第1項に規定する都市計画に関する基本的な方針のうち、全体構想の策定及び変更に関するこ
と。
(6) 基本計画(法第2条第4項の規定による基本構想を具体化するため行政運営の基本方針等を定めるものをいう。)の策定及び変更に関すること。
〇京丹後市
京丹後市議会基本条例
(1)地方自治法第2条第4項に規定する基本構想に基づく基本計画に関すること。
(2)その他市行政の各分野における、政策及び施策の基本的な方向を定める計画、指針その他これらに類するものに関すること(行政内部の管理に係る計画、特定の地域を対象とする計画及び計画期間が5年未満の計画を除く。)で、次に掲げるもの
(ア)都市計画、上下水道等に関する計画
(イ)社会福祉、医療に関する計画
(ウ)農林水産業、商工業その他の産業の振興に関する計画
(エ)市民生活の安全、交通、環境に関する計画
(オ)教育に関する計画
(カ)次世代育成、男女共同参画に関する計画
(3)市が他団体と結ぶ提携又は協定のうち、予算を伴うもの
四日市市議会では、防災、福祉、まちづくりに関するものが規定されており、京丹後市では抽象的に広範に規定されているという印象を受けました。
四日市市に対し、これらの議決事件がなぜ選ばれたのかお聞きしたところ、この内容は平成14年に制定された「四日市市議会の議決すべき事件を定める条例」が下敷きになっており、当時の議論はわからないとのことでした。
また、京丹後市については余りにも広範囲に渡っているため各議員がその計画内容の是非を判断するのに多大な時間を要しているため、現在、どの計画を議決の内容とするかを議論しているとのことでした。
鎌倉市でも議会運営委員会で、少なくとも基本構想に基づく基本計画は議決事件とし、基本計画に基づく実施計画については入れないこと、また、個別の行政計画については今後検討するということで合意に至ったと記憶しております。
もっとも、地方自治法の一部改正法案が提出され、地方分権改革推進計画に基づき、地方公共団体に対する義務付けを撤廃するということが国会で可決されたため、地方自治法第2条第4項の「「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うようにしなければならない。」という条文が削除されることになりました。
今後鎌倉市は、議会基本条例に盛り込むか又は、「鎌倉市議会の議決すべき事件に関する条例」に追加するかは別にして、基本計画に加え、基本構想も議決すべき事件とすべきであると思います。
↓四日市駅写真
↓京都府 京丹後市役所

