本日が9月定例会の最終日でした。議決の結果は次の通りです。
また、議会議案第5号「バイオマスエネルギー回収施設整備事業の積極的推進を求めることに関する決議について」に対し、民主党鎌倉市議会議員団は下記の反対討論を行いました。代表で私が行いました。
【反対討論】
民主党鎌倉市議会議員団を代表して、議会議案第5号「バイオマスエネルギー回収施設整備事業の積極的推進を求めることに関する決議」に反対の立場で討論に参加します。
我が国が今後、化石燃料の抑制を伴う炭素中立性のソフトエネルギーを含むバイオマスエネルギーを拡張、発達させなければならない性質の技術であるという認識は大いに持っています。
一方で鎌倉市は市民や市内法人の方々から納められた税財源で住民の福祉増進に努めるとともに地方自治法第2条第14項や地方財政法第4条第1項に規定された公金支出の必要最小限の原則を実現していかなくてはなりません。これはごみ行政についても同様であり、他市と比較し鎌倉市のごみ処理にかかる経費が高くなっていないかを議会がしっかりと監視していく必要があります。
環境省の平成20年度一般廃棄物処理実態調査結果の「処理及び維持管理費」の合計から「車両購入費」及び「調査研究費」を差し引き「組合分担金」を加えた額を人口で除した鎌倉市民の「1人当たりのごみ処理にかかる経費」は19,868円であり、
県平均の11,954円、近隣の藤沢市の14,133円、
逗子市の13,918円を大きく上回り、県内で箱根町、葉山町に続いて3位となっています。
特に「ごみ処理及び管理維持費」のうち、一人あたりの人件費は
県平均5,916円に対し、逗子市9,953円に次いで
鎌倉市は、2位の9,343円、
そのうち現業の人件費が県平均4,727円に対して、
逗子市8,731円についで、鎌倉市は2位の8,046円、
また、「ごみ処理及び管理維持費」のうち、
一人あたりの委託費が県平均2,767円に対し、鎌倉市は、6,982円となっています。
※1
このように鎌倉市のごみ処理及び維持管理費の経費は県内市町村においても高位に位置していることを市民は認識すべきであると考えます。
また、環境省の「日本の廃棄物処理」によれば、鎌倉市は人口10万人以上50万人以下の237自治体において、リサイクル率は1位となっておりますが、
一人一日当たりのごみ排出量であるリデュースは237自治体中157位となっており、事業系ごみを含め、ごみ減量化の余地があると言わざるを得ません。
民主党鎌倉市議会議員団は、会派として、生ごみをメタン発酵させている施設や
生ごみに下水汚泥を加えメタン発酵させている、実際の稼働施設を視察した結果、
硫化水素の濃度が当初の計画で500PPMであったものが3,057PPM発生している実際に住民に危険な施設や破砕処理する機械が時々止まるため、創意工夫を重ねている施設などがあり、即時導入は時期尚早であり、これからの技術、発展途上の技術であるという結論しか導き出すことができませんでした。
また、横須賀市は10分の1規模の実証実験を行った上で、新ごみ処理施設 整備検討委員会において慎重に検討し、広域ごみ処理施設へのバイオガス化導入を断念しています。そして、同委員会の議事録には、生ごみをメタン発酵させる技術が、発展途上の技術であるということを示す発言が散見しております。
また、国土交通省は、平成23年度予算概算要求において、下水道 革新的技術 実証事業として下水処理や汚泥処理過程の再生可能エネルギー利用について高効率化を図り、建設コストの大幅な低減を実現する-具体的には「高効率のメタン発酵 ・高効率のガス精製 ・低コストの固形燃料化 ・高効率の下水処理等の水・エネルギー再生技術」などの-革新的技術を開発し、エネルギー自立型 下水処理場として全国展開させることを目的として、実規模レベルのプラントを設置して実証事業を行い、成果の評価・ガイドライン化を行うとしております。※2
また、平成23年度予算概算要求についてを報じた新聞によれば下水汚泥のメタン発酵事業に加え、『下水汚泥に家庭からでる生ごみなども加え、メタンを発酵させる実験も行う。』と報じております。
これらのことは、とりも直さず、下水汚泥を使ったメタン発酵技術が発展途上の技術であることを表しています。生ごみに下水汚泥を加えメタン発酵させるという鎌倉市が採用しようとしている技術よりも全国に普及している下水汚泥を使ったメタン発酵技術ですら、この状況であります。生ごみに下水汚泥を加えメタン発酵させるという鎌倉市が採用しようとしている技術がいかに発展途上な技術であるかご理解いただけると思います。
以上の理由により、生ごみに下水汚泥を加えメタン発酵させる処理方法は時期尚早であり、もし導入するのであれば実証実験等を行うか、技術的な蓄積を待った上で導入する必要があると考えます。
今決議において、「バイオマスエネルギー回収施設整備事業」に地方自治体として積極的に推進すべきとしております。しかしながら、鎌倉市のごみ処理及び維持管理費に掛かる経費やバイオマスエネルギーが発展途上の技術であり、過去にも(鎌倉市が)炭化炉実証実験で失敗していることを鑑みれば、この決議に賛同することは難しいと考えます。
また、ごみ処理広域化が頓挫しているにも関わらず、広域化の枠組みにおける生ごみ資源化施設建設だけを推進しようとする議論は矛盾があります。
そして、現在ある今泉クリーンセンター、名越クリーンセンターの施設が老朽化しているからといって、即、発展途上の技術であるバイオマスエネルギー回収施設整備事業を推進すべきという結論には疑問を感じものであります。
鎌倉市は、平成10年3月に「神奈川県ごみ処理広域化計画」に始まり、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町の4市1町グループからの一時的にしろ外れ、その後、県内の多くの市町村を巻き込こんだ巨大廃棄物処理事業「エコループ・プロジェクト」の挫折、そして、今度は4市1町の広域化を縮小した逗子市との広域化の中断と、広域ごみ行政がうまくいっていないツケが現市政に露呈していると考えます。※3
ここで50年、100年先を見据えた計画を立てなければ、さらに次世代にツケを回すことになりかねません。
松尾市長は12月まで猶予が欲しいと議会で答弁をしています。当然、マニフェストに掲げた「山崎に予定されているバイオリサイクルセンター建設は、一から見直しを行います」ということを含めて検討することになると考えます。
その際には、近隣他市と比較し高コストとなっている人件費や委託費などのごみ処理コストの全体的な見直しや10キロ130円に設定されている事業系ごみの受け入れ料金の妥当性、更なるごみ減量化施策の検討も含め、総合的、抜本的なごみ行政の見直しを行い、市民の理解が得られる政策を実現すべきであることを申し述べ反対討論といたします。
以上
※1
※2 国土交通省平成23年度 都市・地域整備局関係 予算概算要求概要
http://www.mlit.go.jp/common/000122347.pdf PDFの13ページ
※3 神奈川県ごみ処理広域化計画 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/05/0516/kouikikakeikaku/index.htm
頓挫した巨大資源循環事業 「エコループ・プロジェクト」http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7141.html
反対討論を行ったものの、多数挙手でこの決議は採択されました。民主党鎌倉市議会議員団の考えは反対討論の通りであり、非常に残念です。
もっとも、松尾市長は12月までに対案を出すことができなければ、山崎浄化センターバイオマスエネルギー回収施設整備事業を進めると答弁しています。
市民との契約であるマニフェスト実現のためにもしっかりとした対案を作るべきだと思います。





