10月21日、第5回 全国市議会議長会 研究フォーラムin大分 終了後に同じ会派の民主党鎌倉市議会議員団の早稲田夕季議員と日田市バイオマス資源化センター(以下、「資源化センター」という)と豆田町を視察しました。
主な視察先は資源化センターでしたが、レンタカーの移動が思ったより早かったため、日田市役所職員の方に先導いただき豆田町も視察しました。
フォーラムは11時過ぎに終了し帰りは大分空港18時25分の飛行機であったため、約6時間の時間しかありませんでした。事前にグーグルマップで移動時間を調べたところ、大分駅付近(ファーラム会場)→資源化センター、資源化センター→大分空港ともに2時間となっていたため、移動に車で往復4時間、視察2時間という計画を立てていました。当然、食事は民主党鎌倉市議会議員団名物の「車中食」(強行軍でゆっくり食事を取る時間がない)となりました。改めて視察に行く場合には飛行機代が必要であるので九州に来たのを好機に足を伸ばして視察することにしました。
実際はナビで検索したところ、行きも帰りもそれぞれ1時間30分で実際その通りであったので、30分は視察を延長し、残り30分で豆田町を視察したことになります。
↑ 写真中央にあるのが資源化センター。日田市は盆地にあり山に囲まれています。資源化センターは背後に山を背負っています。
資源化センターには視察開始の12時50分頃到着し、13時まで昼食を取りました。
この施設でパワーポイントによる説明受け、色々と質問をいたしました。その後、敷地内を案内していただき設備を視察しました。
↑ 敷地内を走る収集車。車体にプロレス興行の広告が貼られてました。収集車の後ろにある施設が排水処理設備。排水の一次処理のみを行い処理した排水を下水処理場へ送ります
↑ 受入ホッパ内の破袋機。山と山の間に業務用のビニール袋がポリ袋と比べ硬いため、からまるそうです
↑ 生ごみ分別機、2系統あります。生ごみ分別機の分別する部分の直径は1.5㎝だそうです。
↑ 異物排出コンテナ及びその中。生ごみ分別機でメタン発酵不適ということで焼却します。ポリ袋だけでなく破砕機をくぐり抜けたゆずの皮なども入ってました。この異物の割合は、計画では10%でしたが実績は22、6%だそうです。
日田市では燃やすごみを有料化(指定袋を有料で販売)し、生ごみは無料としています。このことが分別のインセンティブとなっているのではないでしょうか。
↑ メタン発酵槽。生ごみ分別機から調整槽に送られた生ごみ、豚ふん尿、農業集落排水汚泥がブレンドされ、このメタン発酵槽へ送られます。約25日分、1900トン入ります。
↑ 発酵でできたメタンガス(濃度約60%)を貯留するガスホルダー。樹脂の二重構造になっております。また、四方を防爆壁で囲まれています。
メタンガスは「極めて可燃性・引火性の高いガス、加圧ガス;熱すると爆発するおそれ、深冷液化ガス;凍傷または負傷するおそれ」(安全衛生情報センター「メタン」危険有害性情報:http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/1402.html)があるため、このような措置が取られています。もっとも近隣に民家は全くなく、他の設備への影響を最小限に留めるためのものと思われます。
↑ 微生物脱硫塔。「現在、用いられているバイオマスガスの脱硫法として、乾式吸着法、湿式法、生物脱硫法があるが、乾式吸着法では酸化鉄、活性炭などに吸着させるために吸着剤の交換や廃棄処理が必要であり、水、アルカリ水などに溶解させる湿式法では大量の溶液が必要であり、脱硫効率も低い。生物脱硫法は硫化水素を硫黄酸化細菌などの微生物に分解させるため、コストが安く有効であると考えられるが、極めて知見が少ない。」(生物脱硫法によるメタン発酵バイオマスガスの硫化水素の低減化-三重大学 生物資源学部:http://wwwsoc.nii.ac.jp/tsap/journal/ohtsuki2005.pdf)。
↑ 乾式脱硫塔。微生物脱硫塔ののちに乾式脱硫塔で更に硫化水素を除去します。
硫化水素の金属を腐食させる力は強く、ステンレスも腐食させます。そのため、ステンレスが腐食した場合には塩ビ管に交換するそうです。
硫化水素=「極めて可燃性・引火性の高いガス 、加圧ガス:熱すると爆発するおそれ、吸入すると生命に危険(気体)、強い眼刺激 、中枢神経系・呼吸器系・心血管系の障害 、水生生物に非常に強い毒性 、長期的影響により水生生物に非常に強い毒性」(安全衛生情報センター「硫化水素」危険有害性情報:http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/0998.html)
↑ ガスエンジン。硫化水素が除去されたメタンガスを使って発電します。現在は、バイオガス発電量で施設内の電力を全て賄えているそうです。
↑ 液肥貯留槽。メタン発酵槽の消化液が加熱殺菌槽を経て貯留され、液肥となります。この液肥はアンモニア臭が残っているため、試験的に排水処理でアンモニアが除去された消化液(無臭となる)を液肥として使う試みが視察した日から始まるそうです。
↑ 堆肥保管庫にあった堆肥。年間300トン発生し、15kg50円で販売。重金属の数値は基準値を下回っているものの、植物に必要な三大栄養素である窒素(ちっそ)・リン酸・カリのうち、リン酸は十分であるが、窒素とカリが少ないため農業用の肥料としては不十分とのことでした。袋詰めにされた堆肥以外に堆肥はほとんどありませんでした。需要が多く供給が追い付かないそうです。
↑ 生物脱臭設備。施設内を負圧にし臭いを外に漏れないようにした上で脱臭します。
↑ 最後にメタン発酵槽をバックに記念撮影。左が早稲田夕季議員、中央が当該施設の所長さん、右が私。
この施設は「地域バイオマス利活用交付金制度」を利用して建てられています(農林水産省 「地域バイオマス利活用交付金」「交付金活用参考資料」P16 6-7 地区事例:日田地区(大分県日田市):http://www.maff.go.jp/j/nousin/zyunkan/biomass/pdf/kouhukin.pdf)。
堆肥や液肥の需要がある農村地域にこそ、バイオマスが相応しいというのが率直な感想です。メタン発酵槽で消化した後に残った汚泥や消化液を有効に利用することができるからです。
都市部で行う場合には、汚泥は濃縮した後に焼却処分(流動床炉という熱した砂を吹き上げて汚泥を燃やすため、エネルギーを消費する)を行い、セメントの原料として再利用し、消化液は排水処理することとなります。鎌倉市の山崎浄化センターバイオマスエネルギー回収施設基本計画では固形物ベースで残さ(消化されずに汚泥となるもの)は42%と高くなっており、それを焼却するというのは非効率ではないかと考えております。

