神奈川・鎌倉市の平塚競輪撤退:補償金訴訟 鎌倉市、1億円支払え 横浜地裁命じる 毎日新聞 5月14日 東京夕刊

鎌倉市の平塚競輪場レースの事業撤退に伴う補償金訴訟について、5月14日第一審敗訴の判決が出たとの記事が毎日新聞に出ていましたのでご紹介いたします。併せて、鎌倉市市民経済部産業振興課からも敗訴のメールが入っておりましたのでご紹介いたします。

この事件で鎌倉市は最高裁まで争うつもりなのでしょうか。以前、ある市民の方から鎌倉市は最高裁まで争うことが多いいと聞いています。理由は①事件が結審するまでには時間がかかり、現在の担当は別部署に異動することとなるためとりあえず自分が担当であるときに結果を確定させる必要がないこと、②担当者が弁護士などと相談し和解で決着するより、最高裁の判断を仰いだ方が自分が決断せずに済むこと、③住民監査請求などがあった場合でもし「最高裁の判決なので」と自分の判断ではなく裁判所の判断と強調できることなどの理由がなのではということを聞いたことがあります。

私は顧問弁護士と相談し、和解で支払うべき金額はいくらか(A)、もし控訴し敗訴した場合の予想されるであろう損害賠償金はいくらか(B)、裁判コストはどれくらいか(C)。このAとB+Cを比較し、Aが安いのであれば敢えてB+Cとする必要はにあのではと考えています。

確かに行政自らの判断で和解金などを支払うことは、住民監査請求される恐れが考えらるので比較衡量を行い、Aが安いのであれば和解すべきだと思います。

和解金の額として妥当かどうか、和解することに関し鎌倉市民の理解を得られるのかなどを真剣に検討し顧問弁護士などとも相談した上で結論の出すべきです。裁判もただではできません。

市の職員の方々には民間業者のような「コスト意識」を持っていただきたいと思います。

以下、毎日新聞からの引用開始。

神奈川・鎌倉市の平塚競輪撤退:補償金訴訟 鎌倉市、1億円支払え 横浜地裁命じる

毎日新聞 5月14日 東京夕刊 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100514dde041040028000c.html

神奈川県平塚市の「平塚競輪場」でのレース事業撤退を巡り、平塚市が同県鎌倉市に撤退に伴う補償金2億円の支払いを求めた訴訟で、横浜地裁は14日、鎌倉市に約1億539万円の支払いを命じた。中山顕裕裁判長は判決で「契約を終了させるに際し、相手方に不測の損害を発生させないよう配慮すべき義務がある」と指摘した。

 判決によると、鎌倉市は1952年以降、平塚市と1年ごとに賃貸契約を結びレースを主催していたが、赤字を理由に01年3月の契約満了を機に撤退。平塚市は「両市の間には継続して賃貸するという認識があった」と主張し、レースに必要な機器のリース料などの一部負担を求めた。

 鎌倉市は「契約上、補償金についての規定がなく、支払いに法的根拠がない」と争っていたが、判決は「契約は実質的に継続していた」と指摘、平塚市の主張を認めた。

 競輪場を巡っては、相模原市など県内の別の6市でつくる競輪組合も同時期に撤退し、補償金4億1500万円の支払いで平塚市と合意。鎌倉市も補償金を請求されたが拒んだため訴訟になっていた。【山田麻未】

                               以上、引用終わり

また、昨日の午後6時頃、鎌倉市総務部からメールにて①~③の文書が届いておりました。

 

以下、引用。

①敗訴を報告する文書

平成22514

 

 鎌倉市議会議員各位

 

 

平塚競輪事業からの撤退に伴う補償金請求事件の一審判決について

 

 

 本日、横浜地方裁判所において、平成133月に本市が平塚競輪事業から撤退した際、平塚市から求められた肩代わり開催補償金を法的根拠がないものとして拒否したため、平成1911月に平塚市が補償金の支払いを求めて提訴した訴訟の一審判決の言い渡しがあり、被告は、原告に対し、1億05396254円を支払えとのことでした。

 司法の判断として重く受け止めてはおりますが、本市の主張が認められず、残念に思っております。

 今後の対応につきましては、判決の内容を十分精査し、慎重かつ適切に判断してまいりたいと考えております。

 以上、お知らせいたします。

 

 

               (問い合わせ先)市民経済部産業振興課 

                         0467-23-3000 内線2480

                                              内線2355

 

②事件の概要

 

(参考)
事件の概要

 

1 請求の趣旨
(1) 被告は、原告に対して金2億円の金員を支払え。
(2) 訴訟費用は被告の負担とする。

 

2 原告の主張
原告は、被告が継続して競輪場施設を賃借して競輪を施行することを前提として、競輪場施設について投資してきた。被告が、この賃貸借契約を解約するには、信義則上、未償却の設備投資(経済的にこれと同質の残リース料を含む)を清算すべき義務がある。平成12年度末における未償却残高及び残リース料の合計額は43億4,388万9,296円であり、その12分の2の7億2,398万1,549円が鎌倉市の清算負担分である。
ただし、平成14年12月に申し立てた調停において、裁判所から示された解決金1億円の調停案を不成立とした経緯を踏まえ、早期、円満に解決させるため、未償却残高及び残リース料の12分の2の額の内金である2億円を請求する。

 

3 本市の主張
 ・ 原告と被告との間の平塚競輪場賃貸借契約は年度ごとに締結されていたが、翌年度以降の契約締結に関する定めは一切なく、また、被告が競輪開催を継続するべき法律上の義務は存在しないので、被告が平塚競輪場を継続して賃借すべき義務はない。
 ・ 平成3年から売上不振が続く中、被告らは原告に対して平塚競輪場賃料の50%以上削減などを求める要望書を提出したが、原告は難しいと回答した。このため、撤退に向けた協議に入ったが、被告は、原告が示した金額を上回る臨時従事員離職餞別金を平成14年1月に支払っている。以上の経過から、被告の競輪事業撤退の理由は合理的であり、撤退に係る対応も適切で、何ら信義則に反する事実がない。
 ・ 原告は、信義則上、未償却の設備投資を清算すべき義務があると主張するが、当該施設の後継賃借人が現れないことから生じる損失は賃貸人が負うべきである。また、被告が清算に応じた場合、原価がゼロになった競輪場施設を用いて原告が将来にわたって競輪開催その他の収益事業を行い得ることは、衡平な負担と言えない。
 ・ 本来であれば賭博行為に該当し、刑法による処罰の対象である競輪について、公益の増進を目的とする事業の振興に寄与するとともに、地方財政の健全化(収益を上げて、財政に貢献すること)を図ることを目的とする場合に限り、指定市町村等が競輪を行うことができるとしている法の趣旨が将来にわたって実現できない事態が生じた場合には、本来処罰の対象である競輪施行が許容される根拠がない。
 ・ 原告の平塚競輪事業全体の平成11年度から平成20年度までの収支実績が継続して黒字であって、その間に原告の一般会計へ多額の操出がなされており、被告が補償すべき原告の損失がない。

 

③事件の経過概要

 

平塚競輪事業の撤退に係る経過概要

昭和27年2月    平塚競輪事業に参入

平成7年度      単年度収支(繰越金や一般会計繰出金を除いた収支)が赤字となる(8年度     のみ黒字復帰)

平成11年7月28日 平塚市に収支改善要望(競輪場借上料引き下げ、開催月見直しなど)を申し入れ

平成11年11月4日 上記要望に対し平塚市が受け入れ困難と回答

平成11年度     赤字補填のため一般会計から繰り入れ

平成12年5月30日 鎌倉市競輪事業審議会に「競輪事業の今後のあり方」について諮問

平成12年8月1日 上記審議会から「早期撤退」との答申

平成12年8月28日 平塚競輪事業からの撤退を平塚市に申し入れ

平成12年9月29日 平塚市が撤退に伴う肩代わり開催の条件提示 7億4,530万5,498円(肩代わ                          

           り補償金4億5,259万80円+臨時従事員離職餞別金2億9,271万5,418円)

平成13年3月31日 競輪事業撤退(肩代わり無しの単純撤退)

平成13年7月31日 平塚市が撤退に伴う開催経費立替金の清算と逸失利益を請求 8億483万171円

平成13年8月2日 湘南競輪従業員組合が撤退に伴う補償金問題で神奈川県地方労働委員会へあっせん申請

平成14年1月9日 地労委のあっせんに従い臨時従業員に補償金を支払う 3億3,199万8,639円

平成14年5月2日 平塚市より臨時従業員離職餞別金等積立金が返還される 4,603万7,247円

平成14年8月12日 平塚市からの13年7月31日付の請求に対し、支払うべき理由がない旨を回答

平成14年12月27日 平塚市が補償金請求の調停を横浜地方裁判所に申し立て 7億2,398万1,549円

平成15年2月13日 第1回調停

平成16年11月9日 第13回調停 調停案としての提示額1億円に対し、平塚市から議会の同意が得られないとして不調申し入れがあり、調停打ち切り

平成19年11月2日 平塚市が補償金請求を横浜地方裁判所に提訴
 2億円(7億2,398万1,549円の内金)

平成20年1月25日 第1回口頭弁論(以後、弁論準備手続き13回)

平成21年7月14日 横浜地裁が和解案(1億3,000万円)提示⇒受諾せず

平成22年5月14日 横浜地方裁判所判決

以上、引用終わり

 

和解金も損害賠償も訴訟費用も皆税金で支払われることになります。最小限の費用で最大限の効果を上げるにはどうしたらいいか、そのことを念頭に置きこの事件を解決していかなくてはならないと思います。