安定ヨウ素剤とは原発事故などの放射性被曝の可能性がある際に、甲状腺に放射性ヨウ素が蓄積されることを防ぐために40歳未満の方に服用してもらう薬です。
放射性ヨウ素(ヨウ素131)は実効半減期は7.6日と短いのですが、甲状腺に溜まり甲状腺がんの原因になりチェルノブイリ原発事故の際には多くの子どもたちが甲状腺がんになりました(プロジェクトX 挑戦者たち 「チェルノブイリの傷 奇跡のメス」参照)。
原子力空母が横須賀に停泊する以上、そこから十数キロしか離れていない鎌倉でも安定ヨウ素剤を備蓄すべきということを平成23年3月11日の予算特別委員会で取り上げた(その際は、「ヨード錠剤」と発言していました)その日の午後に東日本大震災が起こり、福島第一原発事故によりテレビで安定ヨウ素剤を服用する子どもたちの映像を見た時には驚きを隠せませんでした。ニュースの一例をご紹介します。
以下、引用開始
安定ヨウ素剤「服用対象は40歳未満」 福島県いわき市15万人に配布 2011/3/20 16:54 JCASTニュース
福島第1原発事故を受け、市内の一部が屋内退避エリアとなっている福島県いわき市が「万一に備え」、国の配布指示がない段階で安定ヨウ素剤の独自配布を実施している。対象は、「国の基準により40歳未満(妊婦は40歳以上でも配布)」。同市はサイトで「市民の不満に思う気持ちに応えた」としている。
安定ヨウ素剤は、予防的に服用すれば、体内被ばくによる甲状腺がんのリスクを低減するなどの効果が高い一方、服用量に注意が必要で「飲み方によっては危険」との指摘もある。市販では買うことができないため、ヨウ素を含むうがい薬を飲もうとする人が出たことで、関係機関が「効果はなく、かつ有害」と注意を促していた。
「甲状腺以外の臓器への防護効果はない」
日本医学放射線学会が2011年3月18日にサイトで公開した「放射線被ばくなどに関するQ&A」によると、安定ヨウ素剤は、「本当に手の付けられないような大惨事に人が巻き込まれたとき」に、医師が「若い方への投与を判断します」と説明している。
投与の対象は、いわき市サイトにもあるように原則40歳未満。国の原子力安全委員会の「原子力施設等防災専門部会」が02年4月に示した「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用考え方について」によると、「40歳以上については、放射性ヨウ素による被ばくによる甲状腺がん等の発生確率が増加しない」ことが、「原則40歳未満」の理由だ。また、安定ヨウ素剤は、甲状腺以外の臓器への防護効果はないとも指摘している。
原子力災害対策特別法では、国の指示後に地方自治体が住民に配ることになっているが、今回いわき市は独自に配布しており、対象の「全15万人に配布している」と産経新聞が3月20日に報じている。備蓄していたものという。
厚労省「医師立会いで飲むように」
いわき市の渡辺敬夫市長は3月18日、市サイトの「市長メッセージ」で、原発事故を受け同市へ避難してきている人の中に、出身自治体から安定ヨウ素剤が配られているのを知ったいわき市民の間で不安が広がっている、と指摘。「なぜ配らないのかという市民の不安に思う気持ちに応え、万が一、高い濃度の放射能物質にさらされた場合に備え」て配布したとしている。
服用のタイミングについて、渡辺市長は「市から指示があった時以外は絶対に服用しない」ことを求めており、「服用いただく際には、私から『服用してください』とお知らせをいたします」としている。
一方、厚生労働省は3月18日、ヨウ素剤は医師らの立会いのもとで飲むようにと福島県や県内自治体に注意喚起した。いわき市以外にも自治体が住民にヨウ素剤を配っているところがあり、中には医師が介在しない形で住民が飲んだケースも出ているという。
以上、引用終わり
既に備蓄を検討している自治体が出始めています。ネットで「安定ヨウ素剤 備蓄」戸検索してみて下さい。鎌倉市でも子どもたちを守るために備蓄すべきであると思います。備蓄をしようとしている自治体は下記のニュースをご参照ください。
以下、引用開始
袋井市:ヨウ素剤備蓄へ EPZ範囲外、補正予算案に計上 /静岡 毎日JP/毎日新聞 2011年9月1日 地方版

袋井市は31日、原発事故で放射性物質が拡散した場合に備え、市民の健康被害を軽減する目的で安定ヨウ素剤を購入、備蓄すると発表した。中部電力浜岡原発から約20~30キロ圏内の同市はこれまで「EPZ(原子力防災対策の重点地域)の範囲外にある」としてヨウ素を配備していない。
同市によると、備蓄量は39歳以下の市民約4万2000人の2日分に相当する約14万4000錠。12歳以下は1回1錠を、13~39歳は同2錠を服用する。40歳以上の市民約4万5000人には「服用効果が薄い」として用意しない。
購入費80万円を9月補正予算案に計上する。個人や家庭に事前配布せず同市が一括して保管する。
東京電力福島第1原発の事故後、同市はEPZの範囲拡大を国などに求めている。原発から10キロ圏内のほかの自治体住民にはヨウ素剤が既に備蓄されている。
原田英之市長は「健康被害の範囲は広がる心配があり、市民の安心安全のため準備する」と語った。
安定ヨウ素剤は若年者の放射能障害を防ぐとされる。【舟津進】
島田市、ヨウ素剤備蓄へ 甲状腺被ばく防止(8/ 4 07:19) @S/静岡新聞
東日本大震災の福島第1原発事故を受け、浜岡原発(御前崎市佐倉)から半径30キロ圏内に位置する島田市は3日までに、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の錠剤を独自に備蓄する方針を固めた。市議会9月定例会に予算案(100万円)を提出する。
備蓄するのは40歳未満の市民や通勤者、旅行者ら4万4千人分となる14万5千錠。避難所での配布を視野に、保管、服用方法などをまとめたマニュアルを整備する。
県地域防災計画によると、浜岡原発から半径10キロ圏内の「防災対策を重点的に実施すべき範囲」(EPZ)の4市などには安定ヨウ素剤が備蓄・配備されている。
市の担当者は「福島原発の事故を見ると10キロ圏外にも被害が及ぶ恐れがある。市民の安全を第一に考えたい」としている。
飯山市:原発事故に備えヨウ素剤備蓄へ /長野 毎日JP/毎日新聞 2011年9月1日 地方版

飯山市は31日開会した9月定例会に、東京電力・柏崎刈羽原発(新潟県)で事故が起きた場合に備え、市民約9000人分に配布する安定ヨウ素剤の備蓄費32万5000円を盛り込んだ総額2億2862万円の今年度一般会計9月補正予算案など32議案を提案した。
飯山市は、市内の最も近い地区で柏崎刈羽原発から50キロ圏内にある。市民の安全を考えて備蓄を決めた。
ヨウ素剤は、体内被ばくによる甲状腺がんの危険性を低減する内服薬。事故発生時、40歳未満の市民に配布する。定例会の会期は9月20日までの21日間。【大平明日香】
松本市もヨウ素剤を備蓄 市、約11万人分購入の方針 08月26日(金) 信毎web/信濃毎日新聞
松本市は原発事故を想定し、被ばくによる住民の健康被害を防ぐため、甲状腺がんの予防に効果がある安定ヨウ素剤を購入する方針を決めた。松本薬剤師会と連携し、市の費用負担で同会が薬剤を購入。40歳未満の市民約11万人分を市内4カ所の薬局に分散させて備蓄する。市議会9月定例会に提出する補正予算案に購入費用を盛り込む。
菅谷昭市長は、1986年のチェルノブイリ原発事故後に医師として被ばく者への医療支援に携わった。福島原発事故の発生後、汚染が拡散する場合には、影響が出やすい子どもから青壮年にヨウ素剤を早期に投与することが重要―としていた。
同市は新潟県の東京電力柏崎刈羽原発や石川県の北陸電力志賀原発から150キロほど離れているが、チェルノブイリ原発事故では数百キロ離れた場所でも放射線量が局地的に高い「ホットスポット」が確認されているという。市危機管理室は「あらゆる危機を想定して安定ヨウ素剤を備蓄することにした」としている。
安定ヨウ素剤は、予防的に服用することで放射性ヨウ素が甲状腺にたまるのを防げる。県内では飯山市も既に購入を決めている。
以上、引用終わり
ちなみに先に紹介した「プロジェクトX 挑戦者たち『チェルノブイリの傷 奇跡のメス』」の主人公こそ、現松本市長の菅谷昭(すげのや あきら)氏です。
市民の皆様にも安定ヨウ素剤の必要性を是非を考えていただき、ご理解いただければと思っております。

